年々仕事は忙しくなるわ、それに伴ってストレスは溜まるわ、まして今年は生活環境は大きく変わるわで、ライブ観戦もブログもやってられるかと思いながら過ぎてしまった一年。
与那覇歩や沖縄や今年はアイヌの取材ノートは溜まる一方で、書きたいけれど書けない日々が続いていた。自身の備忘録として、せめて恒例の「今年のライブ観戦ベスト10」はまとめなきゃと重い腰を上げた次第。
芸能界デビュー10周年を迎えた与那覇歩さんのライブは今年も10本以上行って、本人にも何回かインタビューしたので、いずれは書かなければならないが、少々お待ちを。
今年のキーワードは、アイヌと沖縄関係では宮古だった。
アイヌとて沖縄と関係がないわけではない。ここ3年取材している糸満市真栄平の「南北の塔」を伏線に、3月に北海道の名付け親「松浦武四郎まつり」に行ったことから、一挙にアイヌの取材モードに突入した。11月には「南北の塔」のイチャルパの主催者であるアイヌの川村兼一さんにも会いに行った。また、前からわかっているものの、アイヌの伝統音楽は素晴らしく、何度か酔いしれた。
宮古は、上野野外音楽堂で行われたアララガマフェスタと、遅ればせながら見た映画大西功一監督「スケッチ・オブ・ミャーク」で宮古音楽の奥深さに目覚めたのがきっかけで、アララガマフェスタで国吉源次さんが歌った伊良部トーガニの本家本元「伊良部トーガニまつり」にまで行ってしまった。
また、映画で印象深く歌われた宮古民謡「ヒダ川の水」を求めて、草木を掻き分けてヒダ川まで足を運んだ。水に関して、どうしても書きたい与那覇歩ネタがあったため、とんでもない苦労をしたのだか、書けてないということは、単なるおバカな行為である。
「南北の塔」も「武四郎とアイヌ」も「ヒダ川の水」も、いずれルポとしてまとめなければならないビッグテーマであると思っているが、小生が死ぬまでの宿題としたい。
では、今年の小生のライブ観戦10を。
忙しいと言いながら、結構観ていた。ミュージシャンの数で言うと200組越え。(><)
【1位】
友川カズキ
9月23日
@東京・碑文谷・APIA40
30年くらい前までLPを好んで聴いていたが、突然思い立って観に行った。凄くて心臓が止まりそうだった。同じ東北出身の三上寛とこのおっさんはどうしようもない。こういうのが真の音楽であり表現である。絶句。
【2位】
与那覇歩
11月17日
@福井県・若狭町・パレア若狭
ネーネーズでデビューして芸能生活10周年。ソロになって初のホールコンサート、そしてCDデビュー。昔は高校生だったのに、早いなあ。那覇や東京で何回も見たけど、やはり記念のホールコンサートが印象的。
【3位】
光復節イベント
8月15日
@韓国・ソウル広場
日本では終戦記念日だが、韓国は日本の植民地支配から開放された光復節。ワールドカップ日韓大会で数十万人が集まったあの広場で繰り広げられる音楽イベントには、日本軍に抵抗し殺された人々の遺影が掲げられている。恨五百年。
【4位】
羽野昌二(Europe Trio)
5月19日
@東京・新宿・ピットイン
【5位】
のなか悟空(くの一ジンコク)
2月1日
@東京・合羽橋・なってるハウス
二人のベテランジャズドラマー。羽野は、彼も小生も京都に住んでいた30年前に何回か見た。気弱な青年だったが、30年の時は彼をふてぶてしく自信に満ちたドラマーに変えていた。のなかのドラミングは意外と努力と鍛錬のたまもの。でも羽野と同じくふてぶてしい。
【6位】
沖縄アジア国際音楽祭 Musix2013
3月16~17日
@沖縄・コザ・ゲート通り一帯
川崎や池袋や代々木のアジア音楽イベントに何回か足を運んだが、このイベントがダントツの一番。コザの音楽の底力を見た。ワールドミュージックコーラスグループN'jamiの宮古民謡、台湾少数民族の中学生の太鼓演奏、伝説の沖縄ロッカーウィリーさん率いるゲリラバンド、そして大御所紫に、なんた浜の饒辺愛子さん。目くるめく2日間だった。
【7位】
森崎ベラ
9月10日
@東京・四谷・Blue Heat
去年1位のベラさん。下位で申し訳ない。3回見たがいつもディープでソウルフル。涙を流しながら失恋ソングを歌うなど魂は本物。夜遅くまでギターの北島徹氏やドラムの岡地氏(元ボガンボス)と、古き良き時代の京都ブルースについて語ってしまった。
【8位】
Ridea
3月11日
@東京・三軒茶屋・Grapefruit Moon
レコ発東京ツアー。メジャー級のアレンジとバックバンドで、貫禄のボーカル。与那覇歩もそうだけど、バックはあまり洗練されない方がいいなあ。泥臭くストレートの方が歌の凄みは増す。小生はRidiaよりAki。Rideaなら最初に偶然渋谷観て衝撃を受けたピアノ弾き語り。
【9位】
Lima Tango!!
2月17日
@東京・合羽橋・なってるハウス
広沢哲(ts)、山口コーイチ(p)、清水良憲(b)のアルゼンチンタンゴトリオ。サックスでタンゴを演るのは思い付きではなく、広沢氏の10年以上にわたるタンゴに対する執念と勉強と鍛錬の表れなのだ。バンドネオンやバイオリンとは異質の情念の世界。これまたディープ。
【10位】
Wasted Johnny's
8月14日
@韓国・ソウル・Club Auteur
ふらりと入ったソウルのライブハウスで大当たり。韓国美人のアンジー、西洋人ベース、いかつい韓国男子のドラムからなるブルーストリオ。アンジーのハスキーボイスとジミヘン風ギターにノックアウト。
【次点】
知名定人・吉田康子
3月19日
@沖縄・那覇・島唄
ヤングネーネーズは避けて吉田康子を観に行った。初代の頃やその後知名定男と一緒に回っているライブを観たりしているが、この人はなかなか曲者で楽しい。そのこと以上に再認識させられたのは、2度目の知名定人。誠実な人柄と歌い回しで好感が持てた。
【おまけ】
最後にニューシネマパラダイス風に、今年(ほぼ)初めて会った素敵な女性ミュージシャン達の写真を並べておく。
よいお年を。
大阪のブルースシンガー、石切ミニィさん(1/13)
コザの豪腕ロックドラマー、さくらちゃん(3/16)
独唱パンクロッカー、稼働中マキちゃん(3/24)
ニューハーフフォークシンガー、尼崎愛子姐さん(3/24)
中国深センのソウルシンガー、Randy(4/12)
演歌歌手、小桜舞子さん(4/21)
元プログレハードロックドラマー、おなじみ琉Tの竹ちゃん(5/24)
沖縄から上京、以前コザで見かけたHirugi. coさん(9/14)
最後にもう一度、Wasted Johnny'sのアンジー譲(HPより)
ノックアウトで、よいお年を。