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2010年08月22日

Rideaライブレポ

今週渋谷の「7th floor」(通称ナナカイ)で行われた『君が唄う唄 vol.39』というイベントに足を運びました。会場近くまで来ると長蛇の列。おまけにTVカメラも。(写真1)「なんじゃ、こりゃ。無名アマチュアシンガーソングライターのイベントだろ!」とビックリしたところ、これは向かいのO-Eastの列で、ナナカイは開演10分前で5人の入りでした。(もちろん、その後急増)

この日の出演は、森本真伊子→伊禮恵from大阪→斉藤利菜→大和田慧→Ridea from沖縄→松本佳奈の計6人。(写真2)
宮古島ネタにつながるオープニングアクト森本真伊子ちゃんの取材がしたくて行ったのですが、彼女の件はひとまず棚上げ。今日は金武町出身のRideaさん(写真3)のレポをします。

その前に、沖縄の苗字を持つ大阪の伊禮恵さんについて一言。
「(沖縄出身者が1/3を占める)大正区在住でしょう。」と尋ねると「死んだおジイさんが沖縄出身ですが、住江区です。」とのこと。
初めてのお客の心をキュッとつかむには、最初の5分間が肝心です。最初に「ああ、凡庸!」と思ってしまうと、その後はなかなか彼女らが作ろうとしている時空間に入っていけません。その点恵さんは、脱力系のルックス、吉田美和のような柔らかで鼻にかかった声、目も鼻も口も泣きそうになる表情等、個性満載で、「お!こりゃいい。」っていう印象を受けました。あとは、イベント30分間なら持つけど、CD1枚、ワンマンライブ2時間が持つかどうか、もう一捻りした曲作りのバリエーションが必要でしょうね。

さてさて、正真正銘ウチナーンチュ(キンチュ)のRideaさんの登場です。
普段は、キャンプ・ハンセン近くのライブハウスで米兵相手に歌っているようです。
エキゾチックでシャープな面構え、すらっとしたスタイル、黒いペディキュア、右足首にタトゥー。歌い出すと、フリーでパワフルなハスキーボイス。闇を切り裂くシャウト。荒削りながらジャズ、ブルース、ホンキートンクのエッセンスを消化したピアノプレー。呪術のようにリピートするリフ、間を上手く取ったアクセント。ディープでソウルフルな本物のブラックミュージック!

いやいや、他の5人とは全く次元が違います。音楽の立ち位置が違う、生きる場所が違う。他の5人は、所詮ヤマトの甘ちゃんお嬢さん音楽です。川面に浮かぶ泡のような音楽です。Rideaさんの音楽は、生きるために必要な音楽。
誰が生きるための?
古くはアメリカ大陸に連れて来られた黒人奴隷のための、新しくは今度戦地に赴いたら生きて帰って来れないかも知れない米兵のための、死や不安と隣り合わせの音楽。そして、米軍基地があるがゆえに、このようなディープネスも生まれてしまう沖縄の音楽。表層的にはブルースでありジャズでありソウルだけど、彼女がシャウトする歌は、沖縄を、世界を、歴史を俯瞰する重層的な音楽なのです。
黒人差別の地、ディープサウス。そして、日本のディープサウス沖縄。といったヘビネスを内包しています。

来週の訪沖は与那覇歩さんのライブ等、既に夜の予定が入っており、金武町には行けないですが、9月の飛び石連休は歩さんはヤマトツアーで入れ違いですから、小生金武町に泊まることにしました。こういう音楽はぐてんぐてんに酔っ払って聴きたいものです。

それにしても、20代の女の子がここまで魂のこもったブラックミュージックをやりきることが信じられません。普通ありえないことです。沖縄の若いミュージシャンだって、普通にしてたら何の特徴もないヤマトの甘ちゃん音楽をやってしまします。
Rideaさんの場合、ひょっとして小生の年齢くらいのオジサン彼氏が近くにいて、手取り足取りレクチャーしているのではないかという疑惑が生まれます。
CDを買いに行って、彼女に意地悪な質問をしてみました。
「右足のタトゥーは、彼氏の名前を彫ってるんですか。アムロちゃんの息子の名前みたいに。」
彼女首を振って答えました。「違います。お守りみたいなもんですよ。」
「彼氏の名前だってお守りになりますがな。多分ずっと年上の彼氏がいるでしょ。」
彼女またプルプルと首を振りましたが、その不自然な振り方からして、怪しいと感じました。

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