2018年01月14日
2017年ライブ観戦ベスト10
年を越してしまったが、自身の備忘録として、2017年ライブ観戦ベスト10を記しておきたい。
昨年1年間もあっという間に過ぎ去ってしまった。世界ではクソトランプが、北朝鮮や中国やアラブ社会やロシアを挑発し、世界に緊張と戦争を生み出している。
それは、ある意味当然のことだ。確信犯なのだ。建国以来アメリカでは軍事産業が政権を支えている。平時には国家予算の2割程度が軍事費であろうが、例えば、南北戦争やベトナム戦争時にはそれが8割に跳ね上がる。数社の巨大軍事産業にとっては濡れ手に粟のビジネス。
そして、その巨大な軍事力をバックに、世界に緊張を作り出し、世界中に兵器の営業を行う。アメリカ国内で一機50億円のオスプレイは、日本に売りつける場合には、100億円以上に跳ね上がる。そして、日本国内の世論操作のために、北朝鮮を挑発する。
昨年トランプは中国に対し28兆円の兵器を売りつける契約を結んだとか。それらの武器が南沙諸島や尖閣諸島に回るであろうことは想像に難くないし、回り回って北朝鮮のミサイルの部品になる可能性だって否定できない。一方で、辺野古新基地建設を急かし、2本の滑走路のみならず、大型空母の港や核弾頭格納庫も作り、アジアやアラブの緊張を煽る。完全にマッチポンプである。利益を貪るのは、アメリカの巨大軍事産業、いずれ泣くのは、一般の国民・庶民なのである。歴史は間違いなく繰り返している。
さて、本題に戻る。仕事や自身の音楽活動に忙殺され、ライブ観戦に全然行けていない印象だったが、いざ10本選ぼうと一年を振り返ると、候補が30本くらいあり絞るのに苦労した。殺伐とした生活の中、せめてもの安らぎのひと時を求めて、結構ライブハウスに足を運んでいたのだと苦笑してしまった。
10本中、8本が沖縄のミュージシャンだった。ジャンル不問で世界中の音楽を聴いているのだと豪語している割には、恥ずかしいやら、驚くやらだが、別に反省することでもあるまい。
いつものように、複数観ているミュージシャンは最も印象深かった一本のみを記載した。
【1位】新良幸人
6月23日
@那覇・Output
予定調和の唄者が1位で申し訳ない。パーシャクラブは複数回観たことがあるが、それとは全く印象が違った。慰霊の日の晩。「こんな日だからこそ、余分なことは言わず、呑んで歌いましょう。」とノーMC。パーシャのような娯楽性は一切排除して、火の出るような三線の演奏と緊張感。凄いの一言だった。
【2位】Willie's Band
12月29日
@沖縄コザ・ZIGZAG
紫やコンディショングリーンに比肩するオキナワンロックのレジェンド、Willie氏。5年ほど前にコザのイベントで観てぶっ飛び、ようやく再び見ることができた。マイルスデイビス、ジミヘン、マービンゲイ、ストーリーズ等のジャンルを超えた名曲をディープなグルーブでアレンジ。やっぱりぶっ飛んだ。「東京でも受けますよ。」と声をかけると、「東京が求めるものは(真の)音楽でなくタレントだから。」と東京の業界と聴衆をバッサリ。
【3位】与那覇歩
7月17日
@石垣島・うりずん
彼女を十数年間継続的に追っかけているが、準地元でのこの日のライブは一味違った。東京や観光客の多い那覇と違って、観客のノリが異次元だったのだ。たまたま地元の高校の郷土芸能部のOB会があったようで、宴席はこう楽しむべしというお手本を見せてもらった。歩さんも煽りまくって、もはや狂乱状態。日常を忘れ去り、非日常を謳歌するという光景を目の当たりにした。
【4位】オモイトランス
11月25日
@那覇・Output
小生にとって今年の新人賞。6月にコザミュージックタウンで偶然リハを見て、数ヶ月後改めて主催ライブに潜入。20代前半なのに結構サマになったロックをしている。フィルの少ないドラム、リードを弾かないギターはタイトな演奏に徹しているが、ベースは動きまくりで凄腕。キャッチーなメロとしっかり芯が詰まったボーカルが最大の魅力かな。プロモーションとダイエットをしっかりやれば、全国的に通用するような予感。
【5位】琉球チムドン楽団
6月30日
@東京・新大久保・アールズアートコート
てぃんくてぃんくのさーちがこんな貫禄ある唄者に成長していたとは。元々歌はうまかったが、単なる唄者から、曲の世界を演出するナリキリ表現者へと一皮むけた感じ。楽曲もネーネーズやりんけんバンドが出てきた90年代初頭のムーブメントからは、一皮むけたワールドミュージック風でカッコいい。この時は大半がオケだったが、今年は是非フルバンドを観てみたい。
【6位】
5月28日
@東京・御徒町・かんもうれ
上京前から応援してきた若手実力派。昨年後半はとんとご無沙汰してしまったが、彼女のオリジナル路線を今一歓迎していないのが一因か。鍛錬された歌唱や三線に対し、ソングライティングは明らかに発展途上。ファンも多いが人気は水もの。チャレンジし続けながらも、個人的には民謡を中心にさらなる実力をつけて欲しいと思う親心。
【7位】吹雪ユキエ
10月29日
@東京・大井町・風に吹かれて
7位でようやく非沖縄。小生のバンド仲間のソロ活動を観に行って遭遇したシンガーソングライター。一見屈折したものを持ちながら、素は根っから純粋という雰囲気を醸し出す。オリジナル曲もさることながら、ちあきなおみや日吉ミミの気怠い曲が良く似合う。小生が若かったら惚れてしまうタイプ。
【8位】石川栄尚
4月22日
@沖縄コザ・ゲート通り
コザゲート通りのストリートミュージシャン。格好/選曲/歌唱/ギター演奏がレトロ過ぎて凄い存在感。米兵に叩かせてお金をもらうためにコンガを置いていたので、小生も30分ほど叩きご機嫌なコラボをさせてもらった。また会いたくて、コザに行く度にその場所に行ってみるのだが、いつも別のパフォーマーのHarukaze氏がいるだけで、彼には会えていない。
【9位】仲松辰夫
7月5日
@石垣島・栄福食堂(トニーそば)
数年前に引き続き、小生のためだけに20曲ほど披露してくれた。若い頃に流しを夢見て上京したが、夢を果たせず2年で島に戻った。メジャーな昭和歌謡はもちろん、誰も知らないようなC級、D級歌謡曲を平然と歌いこなすことから推察するとこの人のレパートリーは1万曲くらいあるのではと驚いてしまう。流しは無理でも、今年あたり東京に呼んでライブをしてもらおうと考えている。
【10位】藤原大輔
6月9日
@東京・神保町・視聴室
先入観なしで聞くと絶望的に暗いJAZZで、そんなに突出しているわけではない。しかし、ノーベル賞を受賞したガルシア・マルケスを始め南米の小説家の小説を読んで、その情景をそれぞれの曲にしたと説明を受けると、俄然聴く側の想像力を刺激して曲が輝きを放つ。アナログムーグの発信音や師匠外山明のドラミングも痛快で、残る沖縄勢を押しのけてランクイン。
沖縄に限らずあちこちに出かけて、その土地土地の音楽や芸能に触れるのが好きだ。昨年は大宰府で見た「櫟木神楽」や長崎くんち等の伝統芸能の素晴らしさに感動。旅先のライブハウスにもふらりと出かけるが、昨年印象に残ったのは、札幌のIvy Linや熊本のSalahらの若いミュージシャン。若さの輝きを頼もしく思った。
音楽を切り離して、昨年最も印象深かった旅先を挙げると、長崎とネパールだろうか。
長崎は幕末に坂本龍馬が武器商社を設立するなど、明治維新に向けての武器貿易の中心地となった。フランスのシュネーデル社が幕府側に兵器を売り、イギリスのジャーディン・マセソン社が、グラバーや坂本龍馬の仲介で薩長連合に兵器を売っていた。ところが、シュネーデルとジャーディン・マセソンは元々は同族会社である。日本に売っていた銃や大砲は、アメリカ南北戦争終結に伴い、大量に余り上海市場に持ち込まれた同じものである。
一つの戦争が終われば、軍事産業は、次のビジネスを求め国家を操り新たな戦争を扇動し、敵味方両方に武器・兵器を売るのである。その構図は今も昔も変わっていない。第二次世界時、アメリカに火薬を売っていたデュポン社と、ドイツに火薬を打っていたイーゲー・ファルベンも見事に同族会社である。
龍馬が暗殺されると、その商権は、岩崎弥太郎が引き継いだ。弥太郎はグラバーと組んで、長崎で造船業や炭鉱業をも始め、後の巨大三菱財閥を形成していく。第二次世界大戦時、長崎には、三菱の造船所や兵器製造所があった。それゆえ長崎には原爆が落とされた。
長崎の原爆の数日後、日本は降伏し、現在に至るまでアメリカの支配下に入ることになる。兵器のほとんど全てをアメリカから購入させられるのはもちろんのこと、沖縄の基地の存在がアジア・中東の緊張を煽り、アメリカの軍需産業の片棒を担ぐ構図になっている。
クソトランプの裏には、彼を操る巨悪がいる。彼らの欲望のために、庶民が原爆や地上戦で犬死させられる不条理。長崎でもそれを無念に思った。
ネパールでは、釈迦の生誕地ルンビニに行った。生誕の井戸の周りの暗がりで、眼だけ光らせじっと祈る無数の人々。欲=煩悩から解き放たれようと、生きる意味を模索している。人を殺したり不幸にしたりすることを屁とも思わない欲望にまみれたクソ達とは対極の姿であった。
昨年1年間もあっという間に過ぎ去ってしまった。世界ではクソトランプが、北朝鮮や中国やアラブ社会やロシアを挑発し、世界に緊張と戦争を生み出している。
それは、ある意味当然のことだ。確信犯なのだ。建国以来アメリカでは軍事産業が政権を支えている。平時には国家予算の2割程度が軍事費であろうが、例えば、南北戦争やベトナム戦争時にはそれが8割に跳ね上がる。数社の巨大軍事産業にとっては濡れ手に粟のビジネス。
そして、その巨大な軍事力をバックに、世界に緊張を作り出し、世界中に兵器の営業を行う。アメリカ国内で一機50億円のオスプレイは、日本に売りつける場合には、100億円以上に跳ね上がる。そして、日本国内の世論操作のために、北朝鮮を挑発する。
昨年トランプは中国に対し28兆円の兵器を売りつける契約を結んだとか。それらの武器が南沙諸島や尖閣諸島に回るであろうことは想像に難くないし、回り回って北朝鮮のミサイルの部品になる可能性だって否定できない。一方で、辺野古新基地建設を急かし、2本の滑走路のみならず、大型空母の港や核弾頭格納庫も作り、アジアやアラブの緊張を煽る。完全にマッチポンプである。利益を貪るのは、アメリカの巨大軍事産業、いずれ泣くのは、一般の国民・庶民なのである。歴史は間違いなく繰り返している。
さて、本題に戻る。仕事や自身の音楽活動に忙殺され、ライブ観戦に全然行けていない印象だったが、いざ10本選ぼうと一年を振り返ると、候補が30本くらいあり絞るのに苦労した。殺伐とした生活の中、せめてもの安らぎのひと時を求めて、結構ライブハウスに足を運んでいたのだと苦笑してしまった。
10本中、8本が沖縄のミュージシャンだった。ジャンル不問で世界中の音楽を聴いているのだと豪語している割には、恥ずかしいやら、驚くやらだが、別に反省することでもあるまい。
いつものように、複数観ているミュージシャンは最も印象深かった一本のみを記載した。
【1位】新良幸人
6月23日
@那覇・Output
予定調和の唄者が1位で申し訳ない。パーシャクラブは複数回観たことがあるが、それとは全く印象が違った。慰霊の日の晩。「こんな日だからこそ、余分なことは言わず、呑んで歌いましょう。」とノーMC。パーシャのような娯楽性は一切排除して、火の出るような三線の演奏と緊張感。凄いの一言だった。
【2位】Willie's Band
12月29日
@沖縄コザ・ZIGZAG
紫やコンディショングリーンに比肩するオキナワンロックのレジェンド、Willie氏。5年ほど前にコザのイベントで観てぶっ飛び、ようやく再び見ることができた。マイルスデイビス、ジミヘン、マービンゲイ、ストーリーズ等のジャンルを超えた名曲をディープなグルーブでアレンジ。やっぱりぶっ飛んだ。「東京でも受けますよ。」と声をかけると、「東京が求めるものは(真の)音楽でなくタレントだから。」と東京の業界と聴衆をバッサリ。
【3位】与那覇歩
7月17日
@石垣島・うりずん
彼女を十数年間継続的に追っかけているが、準地元でのこの日のライブは一味違った。東京や観光客の多い那覇と違って、観客のノリが異次元だったのだ。たまたま地元の高校の郷土芸能部のOB会があったようで、宴席はこう楽しむべしというお手本を見せてもらった。歩さんも煽りまくって、もはや狂乱状態。日常を忘れ去り、非日常を謳歌するという光景を目の当たりにした。
【4位】オモイトランス
11月25日
@那覇・Output
小生にとって今年の新人賞。6月にコザミュージックタウンで偶然リハを見て、数ヶ月後改めて主催ライブに潜入。20代前半なのに結構サマになったロックをしている。フィルの少ないドラム、リードを弾かないギターはタイトな演奏に徹しているが、ベースは動きまくりで凄腕。キャッチーなメロとしっかり芯が詰まったボーカルが最大の魅力かな。プロモーションとダイエットをしっかりやれば、全国的に通用するような予感。
【5位】琉球チムドン楽団
6月30日
@東京・新大久保・アールズアートコート
てぃんくてぃんくのさーちがこんな貫禄ある唄者に成長していたとは。元々歌はうまかったが、単なる唄者から、曲の世界を演出するナリキリ表現者へと一皮むけた感じ。楽曲もネーネーズやりんけんバンドが出てきた90年代初頭のムーブメントからは、一皮むけたワールドミュージック風でカッコいい。この時は大半がオケだったが、今年は是非フルバンドを観てみたい。
【6位】
5月28日
@東京・御徒町・かんもうれ
上京前から応援してきた若手実力派。昨年後半はとんとご無沙汰してしまったが、彼女のオリジナル路線を今一歓迎していないのが一因か。鍛錬された歌唱や三線に対し、ソングライティングは明らかに発展途上。ファンも多いが人気は水もの。チャレンジし続けながらも、個人的には民謡を中心にさらなる実力をつけて欲しいと思う親心。
【7位】吹雪ユキエ
10月29日
@東京・大井町・風に吹かれて
7位でようやく非沖縄。小生のバンド仲間のソロ活動を観に行って遭遇したシンガーソングライター。一見屈折したものを持ちながら、素は根っから純粋という雰囲気を醸し出す。オリジナル曲もさることながら、ちあきなおみや日吉ミミの気怠い曲が良く似合う。小生が若かったら惚れてしまうタイプ。
【8位】石川栄尚
4月22日
@沖縄コザ・ゲート通り
コザゲート通りのストリートミュージシャン。格好/選曲/歌唱/ギター演奏がレトロ過ぎて凄い存在感。米兵に叩かせてお金をもらうためにコンガを置いていたので、小生も30分ほど叩きご機嫌なコラボをさせてもらった。また会いたくて、コザに行く度にその場所に行ってみるのだが、いつも別のパフォーマーのHarukaze氏がいるだけで、彼には会えていない。
【9位】仲松辰夫
7月5日
@石垣島・栄福食堂(トニーそば)
数年前に引き続き、小生のためだけに20曲ほど披露してくれた。若い頃に流しを夢見て上京したが、夢を果たせず2年で島に戻った。メジャーな昭和歌謡はもちろん、誰も知らないようなC級、D級歌謡曲を平然と歌いこなすことから推察するとこの人のレパートリーは1万曲くらいあるのではと驚いてしまう。流しは無理でも、今年あたり東京に呼んでライブをしてもらおうと考えている。
【10位】藤原大輔
6月9日
@東京・神保町・視聴室
先入観なしで聞くと絶望的に暗いJAZZで、そんなに突出しているわけではない。しかし、ノーベル賞を受賞したガルシア・マルケスを始め南米の小説家の小説を読んで、その情景をそれぞれの曲にしたと説明を受けると、俄然聴く側の想像力を刺激して曲が輝きを放つ。アナログムーグの発信音や師匠外山明のドラミングも痛快で、残る沖縄勢を押しのけてランクイン。
沖縄に限らずあちこちに出かけて、その土地土地の音楽や芸能に触れるのが好きだ。昨年は大宰府で見た「櫟木神楽」や長崎くんち等の伝統芸能の素晴らしさに感動。旅先のライブハウスにもふらりと出かけるが、昨年印象に残ったのは、札幌のIvy Linや熊本のSalahらの若いミュージシャン。若さの輝きを頼もしく思った。
音楽を切り離して、昨年最も印象深かった旅先を挙げると、長崎とネパールだろうか。
長崎は幕末に坂本龍馬が武器商社を設立するなど、明治維新に向けての武器貿易の中心地となった。フランスのシュネーデル社が幕府側に兵器を売り、イギリスのジャーディン・マセソン社が、グラバーや坂本龍馬の仲介で薩長連合に兵器を売っていた。ところが、シュネーデルとジャーディン・マセソンは元々は同族会社である。日本に売っていた銃や大砲は、アメリカ南北戦争終結に伴い、大量に余り上海市場に持ち込まれた同じものである。
一つの戦争が終われば、軍事産業は、次のビジネスを求め国家を操り新たな戦争を扇動し、敵味方両方に武器・兵器を売るのである。その構図は今も昔も変わっていない。第二次世界時、アメリカに火薬を売っていたデュポン社と、ドイツに火薬を打っていたイーゲー・ファルベンも見事に同族会社である。
龍馬が暗殺されると、その商権は、岩崎弥太郎が引き継いだ。弥太郎はグラバーと組んで、長崎で造船業や炭鉱業をも始め、後の巨大三菱財閥を形成していく。第二次世界大戦時、長崎には、三菱の造船所や兵器製造所があった。それゆえ長崎には原爆が落とされた。
長崎の原爆の数日後、日本は降伏し、現在に至るまでアメリカの支配下に入ることになる。兵器のほとんど全てをアメリカから購入させられるのはもちろんのこと、沖縄の基地の存在がアジア・中東の緊張を煽り、アメリカの軍需産業の片棒を担ぐ構図になっている。
クソトランプの裏には、彼を操る巨悪がいる。彼らの欲望のために、庶民が原爆や地上戦で犬死させられる不条理。長崎でもそれを無念に思った。
ネパールでは、釈迦の生誕地ルンビニに行った。生誕の井戸の周りの暗がりで、眼だけ光らせじっと祈る無数の人々。欲=煩悩から解き放たれようと、生きる意味を模索している。人を殺したり不幸にしたりすることを屁とも思わない欲望にまみれたクソ達とは対極の姿であった。
2016年12月23日
2016年ライブ観戦ベスト10
ここ数年間の習慣に従い、今年一年間の印象に残ったライブを備忘録としてまとめておく。てぃーだブログにおける小生の唯一の仕事である。
その前にこの一年に対する雑感を。
世界最強軍備を有するならず者国家の大統領に最悪のならず者が当選するわ、非常識首相が調子に乗ってさらに増長するわで、世界も日本もそして沖縄もますます暗雲立ち込める一年になった。
車も家電製品も世界中に行き渡り、もはや通常の経済成長=搾取システムが機能しなくなりつつある。その点、軍需産業は金儲けとして実に効率がいい。車のようにチマチマとした営業活動は要らない。オスプレイ1機で車数千台分の売り上げになる。競争相手も少ないし、支払いは税金からだ。
軍需産業と国家が表裏一体となって、裏から思想対立、民族対立、宗教対立、利権対立を煽り、やれテロだやれ敵国が領海侵犯しただと喧伝し、基地や兵器が当然のごとく必要だと思い込ませ、国民の税金でがっぽり稼ぐビジネスモデルなのだ。
辺野古も高江もそのビジネスモデルの中にある。巧妙に隠されている真の対立は、東西の対立でも宗教の対立でもなく、グローバルな巨大経済支配と被支配の対立なのだ。そこに気が付くべきだろう。仮想敵国の人間もテロ国家の人間も、そこに暮らす人々は同じ人間なのだ。最新鋭の基地を作ったり、オスプレイを配備するのは、ますます対立を煽り、憎悪を生み、軍需産業を増長させる道につながる。それは、ひいては新たな格差や貧困や次なる対立につながって行くのである。彼らの思うつぼであり、そろそろその負の連鎖を断ち切らねばなるまい。
書いていてイヤになって来たので、これくらいにして、楽しいライブの振り返りをしたい。例年通り複数回観戦したミュージシャンについては、原則1回のみ登場してもらった。
【1位】
矢野絢子 vs 銀天団
11月26日
@沖縄・コザ・音洞
恐ろしいものを見た。ここ数年でも最大級のインパクト。メジャー在籍時の「てろてろ」や「夕闇」の純粋で切ない彼女とは真逆の屈折して異様な世界。ダブ/プログレ/アバンギャルド/ジャズ/歌劇/大正歌謡等が融合した変態音楽。地元の生ダブバンド銀天団も驚異の好サポートだった。
【2位】
安富祖貴子
5月28日
@沖縄・那覇・Music cafe kumoji
2004年のデビューアルバム「TAKAKO」は、太く伸びやかな歌声が衝撃的だった。ずっとライブを観たいと思って来たが、いつの間にか彼女が故郷沖縄に帰り、タイミングを逃していた。その沖縄でついに観ることができた。体は小さいのにパワフルな歌。今年亡くなったプリンスのパープルレインで涙した。
【3位】
Lisa Oki
6月2日
@東京・御徒町・和海
今年一番本数を観たミュージシャン。正直伸び悩んでいる気がするが、その愛すべきキャラはますます進化。彼女が敬愛するBEGENのメンバーの前で歌う機会にたまたま小生も遭遇した。感極まっての号泣に彼女の無垢で素直な性格を見た。12/19の誕生日ライブでの号泣も記憶に新しい。
【4位】
与那覇歩
6月18日
@東京・王子・ハイビスカス
ひと頃ほどの回数ではないが、東京で3本那覇で2本観た。久しぶりに観ると「やっぱり凄い。」と驚いてしまう。特にハイビスカスでのライブは、気合の入り具合、声の状態、選曲、MC、バックの演奏、全てに良かった。才能があって、その上で、ストイックで努力家で妥協を許さぬプロ根性に感服。
【5位】
港家小ゆき/玉川奈々福/玉川太福
10月2日
@東京・浅草・木馬亭
この日は小生が好きな若手実力派3人が揃い踏み。三味線の曲師と二人だけでスペクタクルのような広大な音楽劇を作って行く。写真だけ見ても伝わってくるド迫力。最近は若い人が次々出てきて活性化の予感。
【6位】
民族音楽「史曲・尚円」
11月3日
@沖縄・浦添・てだこホール
普久原恒勇作曲による音楽絵巻の21年ぶりの再演。おそらく九州の倭寇であろう尚家の出自やクーデターによる琉球王朝乗っ取り等の史実の検証はともかく、エスニック色豊かな演奏は迫力があって秀逸だった。「芭蕉布」の普久原恒勇は、大衆曲にとどまらずなかなかの才能と感心した。
【7位】
橋本じゅん(JMKTNM)
2月6日
@東京・西荻窪・CLOPCLOP
ツワモノ揃いのメンバーによる緊張感溢れるジャズロック。フランクザッパをカバーをしているバンドを初めて観た。橋本氏と話をしたら、ザッパの歴史的1stアルバム「Freak out」の完全コピーライブを初夏に企画中とのことだった。いつやったのか気づかず、見逃して残念。
【8位】
トリオ座(林栄一/國仲勝男/小山彰太)
10月28日
@東京・阿佐ヶ谷・Yellow Vision
ジャズ界重鎮によるトリオ。吹きっぱなし弾きっぱなし叩きっぱなしのスリリングな即興演奏。沖縄出身の國仲氏が「土人です。」と自己紹介し、観客の失笑を誘っていたが、翌週泊まったやんばるの民宿の女将が「若い時に大阪の出稼ぎ先で土人と言われた。」と聞くと、失笑では済まされない。
【9位】
杜牧&Air Super Band/Once樂團 他
3月18~21日
@台湾・高雄/台東/台南
台湾南部を回りライブハウスに入り浸った。台北やソウルや上海より断然面白い。高雄の有名店「藍色狂想」でレベルの高い洋曲を堪能し、原住民の街、台東で原住民バンドのハードロックを聴いた。台南では祭りの喧騒に出くわした。台湾の近代史は南部から始まっており、それぞれの街の歴史もディープなのだ。
【10位】
あびこめぐみ
2月11日
@東京・小岩・こだま
Lisa Okiとの2マンライブ。以前浅草で見たことがあったが、かわいいだけの唄者かと思っていた。が、今回見直した。安全保障関連法(別名:戦争法)の国会での採決を本気で憂い、加川良の反戦歌「教訓Ⅱ」を歌ったのだ。ミュージシャンに共感する最終的な部分は、彼/彼女の信条であり生き方なのだ。あびこ、いいぞ。これからも、聴衆に向かってあなたの熱いメッセージを発信して行ってほしい。
以下番外編として、それなりに興味深かったライブの写真を掲載して、本年の終わりとしたい。来年こそいい年になりますように。
久々のRidea。基地のシンガーのイメージが強いが、すっかり平和モードに。
コザのbloom。ピンクフロイドのカバーもしており親近感。
横浜を中心に活動しているフィリピン人のMrie Esperanza。歌も客を乗せるのもうまい。
演歌歌手田原みどり率いるハードロックバンドAglaia。ギターが酔拳状態でKill the king。
ゴマアブラ。池袋路上ライブで見かけて改めてライブハウスへ。ベース超絶、残念ながら曲平凡。
Lisa Okiの同級生にして元相方。彼女こそビジュアル系ポップスを。
ソウルの企業のパーティーに出演していたバンド。無名でもルックスは見事にK-pop。
お後がよろしいようで。
その前にこの一年に対する雑感を。
世界最強軍備を有するならず者国家の大統領に最悪のならず者が当選するわ、非常識首相が調子に乗ってさらに増長するわで、世界も日本もそして沖縄もますます暗雲立ち込める一年になった。
車も家電製品も世界中に行き渡り、もはや通常の経済成長=搾取システムが機能しなくなりつつある。その点、軍需産業は金儲けとして実に効率がいい。車のようにチマチマとした営業活動は要らない。オスプレイ1機で車数千台分の売り上げになる。競争相手も少ないし、支払いは税金からだ。
軍需産業と国家が表裏一体となって、裏から思想対立、民族対立、宗教対立、利権対立を煽り、やれテロだやれ敵国が領海侵犯しただと喧伝し、基地や兵器が当然のごとく必要だと思い込ませ、国民の税金でがっぽり稼ぐビジネスモデルなのだ。
辺野古も高江もそのビジネスモデルの中にある。巧妙に隠されている真の対立は、東西の対立でも宗教の対立でもなく、グローバルな巨大経済支配と被支配の対立なのだ。そこに気が付くべきだろう。仮想敵国の人間もテロ国家の人間も、そこに暮らす人々は同じ人間なのだ。最新鋭の基地を作ったり、オスプレイを配備するのは、ますます対立を煽り、憎悪を生み、軍需産業を増長させる道につながる。それは、ひいては新たな格差や貧困や次なる対立につながって行くのである。彼らの思うつぼであり、そろそろその負の連鎖を断ち切らねばなるまい。
書いていてイヤになって来たので、これくらいにして、楽しいライブの振り返りをしたい。例年通り複数回観戦したミュージシャンについては、原則1回のみ登場してもらった。
【1位】
矢野絢子 vs 銀天団
11月26日
@沖縄・コザ・音洞
恐ろしいものを見た。ここ数年でも最大級のインパクト。メジャー在籍時の「てろてろ」や「夕闇」の純粋で切ない彼女とは真逆の屈折して異様な世界。ダブ/プログレ/アバンギャルド/ジャズ/歌劇/大正歌謡等が融合した変態音楽。地元の生ダブバンド銀天団も驚異の好サポートだった。
【2位】
安富祖貴子
5月28日
@沖縄・那覇・Music cafe kumoji
2004年のデビューアルバム「TAKAKO」は、太く伸びやかな歌声が衝撃的だった。ずっとライブを観たいと思って来たが、いつの間にか彼女が故郷沖縄に帰り、タイミングを逃していた。その沖縄でついに観ることができた。体は小さいのにパワフルな歌。今年亡くなったプリンスのパープルレインで涙した。
【3位】
Lisa Oki
6月2日
@東京・御徒町・和海
今年一番本数を観たミュージシャン。正直伸び悩んでいる気がするが、その愛すべきキャラはますます進化。彼女が敬愛するBEGENのメンバーの前で歌う機会にたまたま小生も遭遇した。感極まっての号泣に彼女の無垢で素直な性格を見た。12/19の誕生日ライブでの号泣も記憶に新しい。
【4位】
与那覇歩
6月18日
@東京・王子・ハイビスカス
ひと頃ほどの回数ではないが、東京で3本那覇で2本観た。久しぶりに観ると「やっぱり凄い。」と驚いてしまう。特にハイビスカスでのライブは、気合の入り具合、声の状態、選曲、MC、バックの演奏、全てに良かった。才能があって、その上で、ストイックで努力家で妥協を許さぬプロ根性に感服。
【5位】
港家小ゆき/玉川奈々福/玉川太福
10月2日
@東京・浅草・木馬亭
この日は小生が好きな若手実力派3人が揃い踏み。三味線の曲師と二人だけでスペクタクルのような広大な音楽劇を作って行く。写真だけ見ても伝わってくるド迫力。最近は若い人が次々出てきて活性化の予感。
【6位】
民族音楽「史曲・尚円」
11月3日
@沖縄・浦添・てだこホール
普久原恒勇作曲による音楽絵巻の21年ぶりの再演。おそらく九州の倭寇であろう尚家の出自やクーデターによる琉球王朝乗っ取り等の史実の検証はともかく、エスニック色豊かな演奏は迫力があって秀逸だった。「芭蕉布」の普久原恒勇は、大衆曲にとどまらずなかなかの才能と感心した。
【7位】
橋本じゅん(JMKTNM)
2月6日
@東京・西荻窪・CLOPCLOP
ツワモノ揃いのメンバーによる緊張感溢れるジャズロック。フランクザッパをカバーをしているバンドを初めて観た。橋本氏と話をしたら、ザッパの歴史的1stアルバム「Freak out」の完全コピーライブを初夏に企画中とのことだった。いつやったのか気づかず、見逃して残念。
【8位】
トリオ座(林栄一/國仲勝男/小山彰太)
10月28日
@東京・阿佐ヶ谷・Yellow Vision
ジャズ界重鎮によるトリオ。吹きっぱなし弾きっぱなし叩きっぱなしのスリリングな即興演奏。沖縄出身の國仲氏が「土人です。」と自己紹介し、観客の失笑を誘っていたが、翌週泊まったやんばるの民宿の女将が「若い時に大阪の出稼ぎ先で土人と言われた。」と聞くと、失笑では済まされない。
【9位】
杜牧&Air Super Band/Once樂團 他
3月18~21日
@台湾・高雄/台東/台南
台湾南部を回りライブハウスに入り浸った。台北やソウルや上海より断然面白い。高雄の有名店「藍色狂想」でレベルの高い洋曲を堪能し、原住民の街、台東で原住民バンドのハードロックを聴いた。台南では祭りの喧騒に出くわした。台湾の近代史は南部から始まっており、それぞれの街の歴史もディープなのだ。
【10位】
あびこめぐみ
2月11日
@東京・小岩・こだま
Lisa Okiとの2マンライブ。以前浅草で見たことがあったが、かわいいだけの唄者かと思っていた。が、今回見直した。安全保障関連法(別名:戦争法)の国会での採決を本気で憂い、加川良の反戦歌「教訓Ⅱ」を歌ったのだ。ミュージシャンに共感する最終的な部分は、彼/彼女の信条であり生き方なのだ。あびこ、いいぞ。これからも、聴衆に向かってあなたの熱いメッセージを発信して行ってほしい。
以下番外編として、それなりに興味深かったライブの写真を掲載して、本年の終わりとしたい。来年こそいい年になりますように。
久々のRidea。基地のシンガーのイメージが強いが、すっかり平和モードに。
コザのbloom。ピンクフロイドのカバーもしており親近感。
横浜を中心に活動しているフィリピン人のMrie Esperanza。歌も客を乗せるのもうまい。
演歌歌手田原みどり率いるハードロックバンドAglaia。ギターが酔拳状態でKill the king。
ゴマアブラ。池袋路上ライブで見かけて改めてライブハウスへ。ベース超絶、残念ながら曲平凡。
Lisa Okiの同級生にして元相方。彼女こそビジュアル系ポップスを。
ソウルの企業のパーティーに出演していたバンド。無名でもルックスは見事にK-pop。
お後がよろしいようで。
2016年01月17日
2015年ライブ観戦ベスト10
9月に安保関連法が成立して、2015年は嫌な一年になった。7月に衆議院で法案が可決された翌日、小生は那覇で反対デモに同行した。安保関連法は、ある意味辺野古の基地移転とセットである。沖縄にとってはより切実な問題なのだ。
その晩、小生は自衛隊那覇基地のサマーフェステバルに行ってみた。変貌を遂げたMerryさん(具志恵)のロックバンドなどを楽しんだが、司会をしたり三線を演奏したりする若い自衛隊員の屈託のない笑顔や言動が、先ほどのデモとの対比で痛々しかった。
「国を守ります。」と言う若者。沖縄で20万人が死んだ先の戦争では、軍隊は決して国民を守らなかった。軍隊の若者は無念の死を強いられた。過去の歴史が今後の姿も示唆している。
突き詰めれば、戦争とは「大資本と大企業と為政者を儲けさせるための茶番」である。仮想敵の連中とも利害は一致している。世界の戦争や紛争は全部大仕掛けな茶番なのだ。騙されてはいけない。苦しむのはいつも国民であり一般の兵士だ。
安保関連法が成立した後も全国でデモが相次いでおり、12月には代々木公園で高校生の団体(有名な団体らしい)も見た。池袋のライブハウス「鈴ん小屋」でも入り口にダンボールの立て看板が掲示してあった。ミュージシャンが世間に発信することは珍しくないが、ライブハウス自身の発信は初めてだと感激していたら、そう言えば沖縄コザのライブハウス「ZIGZAG」では、数年前から入り口に反戦ステッカーが貼り付けられているのを思い出した。
それでは、小生の備忘録であるが、恒例の2015年ライブ観戦ベスト10をまとめる。
【1位】
二代目スケチヨ
10月25日
@東京・池袋・鈴ん小屋
びっくりした。フォーク界のピーター・ガブリエルである。変幻自在のキャラ作り、ストーリー性、音楽性。不確定情報では、文楽の義太夫節に弟子入りしていたとか。場末のスナックで歌っていたキャリアも魅力を倍増させていてる。今はコンビニ店員。今年しばらく追っかけます。
【2位】
根路銘利紗(Lisa Oki)
1月31日
@東京・六本木・島唄楽園
去年一位のLisaちゃん。(彼氏と別れて?)メジャーデビュー目指し、5月には沖縄から上京。今や乗りに乗っている。この日の「オジー自慢」をYoutubeにアップしたら、アッという間に5万hit。ひょっとしたら、今年メジャーブレイクする予感がする。歌だけでなく、魅力的な愛すべきキャラ。
【3位】
Nadja(from Mozambique)
8月28日
@東京・高円寺・円盤
モザンビークのスラム育ちのNadja。教育支援や公衆衛生改善を進める日本のNPOが来日公演を企画した。モザンビークはアフリカの東海岸だが、西海岸のユッスー・ンドゥールやサリフ・ケイタに似たリズムの軽快さと歌の緊張感を感じた。後進国に外資が入れば入るほど、貧困や格差が広がる矛盾がここにもある。
【4位】
川下直広カルテット
9月22日
@東京・合羽橋・なってるハウス
80年代末から90年代に日本のジャズ界で大活躍した「フェダイン」の流れを汲むバンド。不破大輔は「渋さ知らズ」ではベースを弾かないが、ここでは強力なベースを披露。川下のビブラートサックスはもはや狂気。大沼に代わる若い若杉も大胆なドラミングで良かった。小生はいろんな音楽を聴くがこの手が一番のツボ。
【5位】
与那覇歩
2月15日
@名古屋・錦・オキナワAサインバーKOZA
かつて小生のブログの中心にあった歩さん。昨年は沖縄に行ってもライブのタイミングが合わず、すっかりご無沙汰の一年になってしまった。それでも東京ライブを中心に5本見た。いつ聴いても凄みのある歌。彼女の魅力はネーネーズ時代から不変である。名古屋は特に音響と照明が素晴らしかった。
【6位】
小山彰太
5月27日
@札幌・北区・Lazy bird
山下洋輔トリオや板橋文夫トリオで活躍した日本のジャズ界の大ドラマー。過去に東京で何度も見て来たのだが、いつの間にか故郷の札幌に帰っていた。それを知らずに偶然札幌で見た。「東京では生活できなくてね。」という小山さん。こんな凄いドラマーが浮かばれないとは、日本の音楽界の現状を改めて嘆きたい。
【7位】
マレウレウ
11月3日
@札幌・厚別区・北海道博物館
アイヌの伝統歌「ウポポ」の再生と伝承をテーマに活動する女性ヴォーカルグループ。プロデュースはトンコリ奏者のOKIで、この日もミキサー席にいた。アイヌを迫害し差別した側から見た「夷酋列像」展におけるライブで、素晴らしい音楽も複雑な思いが残った。
【8位】
池上本門寺・お会式お逮屋
10月12日
@東京・大田区・池上本門寺
日蓮の命日の前日に行われる法要。数十万人が押しかけ、池上の商店街の年間売り上げの半分がこの前後に集中する。各地から集まった信徒団体の集まり(講中)が、行列し万灯や提灯を掲げ団扇太鼓や鉦を叩き題目を唱える。講中毎に様々な独創的なリズムが、恐るべき宗教的トランス状態を形成している。
【9位】
大内清さん以下、茶花銀座商店街の皆さん
5月3日
@与論島・茶花・銀座商店街
「与論十五夜踊り」が終わった晩、茶花・銀座商店街のお祭りへ移動したが、荒天のためお祭りは中止。名残惜しむ有志の人たちが、テントの中で三線、パーランクを持ってドンチャン騒ぎをしていた。小生は近くの酒屋で黒糖焼酎の一升瓶を買いその集まりに合流し、思いで深い夜を過ごした。
【10位】
美鵬成る公
8月23日
@東京・北区・赤羽会館
昨年は東京周辺で行われた日本民謡協会の民謡民舞地区連合大会に何度か足を運んだ。そのうち2回で見た美鵬成る公さんの太鼓のプレー。少ない音数で最大限のグルーブを出す。ピシッとした姿勢と撥さばき。見た目も芸能なのだ。ドラマーの小生にとってはすごく新鮮だった。
その晩、小生は自衛隊那覇基地のサマーフェステバルに行ってみた。変貌を遂げたMerryさん(具志恵)のロックバンドなどを楽しんだが、司会をしたり三線を演奏したりする若い自衛隊員の屈託のない笑顔や言動が、先ほどのデモとの対比で痛々しかった。
「国を守ります。」と言う若者。沖縄で20万人が死んだ先の戦争では、軍隊は決して国民を守らなかった。軍隊の若者は無念の死を強いられた。過去の歴史が今後の姿も示唆している。
突き詰めれば、戦争とは「大資本と大企業と為政者を儲けさせるための茶番」である。仮想敵の連中とも利害は一致している。世界の戦争や紛争は全部大仕掛けな茶番なのだ。騙されてはいけない。苦しむのはいつも国民であり一般の兵士だ。
安保関連法が成立した後も全国でデモが相次いでおり、12月には代々木公園で高校生の団体(有名な団体らしい)も見た。池袋のライブハウス「鈴ん小屋」でも入り口にダンボールの立て看板が掲示してあった。ミュージシャンが世間に発信することは珍しくないが、ライブハウス自身の発信は初めてだと感激していたら、そう言えば沖縄コザのライブハウス「ZIGZAG」では、数年前から入り口に反戦ステッカーが貼り付けられているのを思い出した。
それでは、小生の備忘録であるが、恒例の2015年ライブ観戦ベスト10をまとめる。
【1位】
二代目スケチヨ
10月25日
@東京・池袋・鈴ん小屋
びっくりした。フォーク界のピーター・ガブリエルである。変幻自在のキャラ作り、ストーリー性、音楽性。不確定情報では、文楽の義太夫節に弟子入りしていたとか。場末のスナックで歌っていたキャリアも魅力を倍増させていてる。今はコンビニ店員。今年しばらく追っかけます。
【2位】
根路銘利紗(Lisa Oki)
1月31日
@東京・六本木・島唄楽園
去年一位のLisaちゃん。(彼氏と別れて?)メジャーデビュー目指し、5月には沖縄から上京。今や乗りに乗っている。この日の「オジー自慢」をYoutubeにアップしたら、アッという間に5万hit。ひょっとしたら、今年メジャーブレイクする予感がする。歌だけでなく、魅力的な愛すべきキャラ。
【3位】
Nadja(from Mozambique)
8月28日
@東京・高円寺・円盤
モザンビークのスラム育ちのNadja。教育支援や公衆衛生改善を進める日本のNPOが来日公演を企画した。モザンビークはアフリカの東海岸だが、西海岸のユッスー・ンドゥールやサリフ・ケイタに似たリズムの軽快さと歌の緊張感を感じた。後進国に外資が入れば入るほど、貧困や格差が広がる矛盾がここにもある。
【4位】
川下直広カルテット
9月22日
@東京・合羽橋・なってるハウス
80年代末から90年代に日本のジャズ界で大活躍した「フェダイン」の流れを汲むバンド。不破大輔は「渋さ知らズ」ではベースを弾かないが、ここでは強力なベースを披露。川下のビブラートサックスはもはや狂気。大沼に代わる若い若杉も大胆なドラミングで良かった。小生はいろんな音楽を聴くがこの手が一番のツボ。
【5位】
与那覇歩
2月15日
@名古屋・錦・オキナワAサインバーKOZA
かつて小生のブログの中心にあった歩さん。昨年は沖縄に行ってもライブのタイミングが合わず、すっかりご無沙汰の一年になってしまった。それでも東京ライブを中心に5本見た。いつ聴いても凄みのある歌。彼女の魅力はネーネーズ時代から不変である。名古屋は特に音響と照明が素晴らしかった。
【6位】
小山彰太
5月27日
@札幌・北区・Lazy bird
山下洋輔トリオや板橋文夫トリオで活躍した日本のジャズ界の大ドラマー。過去に東京で何度も見て来たのだが、いつの間にか故郷の札幌に帰っていた。それを知らずに偶然札幌で見た。「東京では生活できなくてね。」という小山さん。こんな凄いドラマーが浮かばれないとは、日本の音楽界の現状を改めて嘆きたい。
【7位】
マレウレウ
11月3日
@札幌・厚別区・北海道博物館
アイヌの伝統歌「ウポポ」の再生と伝承をテーマに活動する女性ヴォーカルグループ。プロデュースはトンコリ奏者のOKIで、この日もミキサー席にいた。アイヌを迫害し差別した側から見た「夷酋列像」展におけるライブで、素晴らしい音楽も複雑な思いが残った。
【8位】
池上本門寺・お会式お逮屋
10月12日
@東京・大田区・池上本門寺
日蓮の命日の前日に行われる法要。数十万人が押しかけ、池上の商店街の年間売り上げの半分がこの前後に集中する。各地から集まった信徒団体の集まり(講中)が、行列し万灯や提灯を掲げ団扇太鼓や鉦を叩き題目を唱える。講中毎に様々な独創的なリズムが、恐るべき宗教的トランス状態を形成している。
【9位】
大内清さん以下、茶花銀座商店街の皆さん
5月3日
@与論島・茶花・銀座商店街
「与論十五夜踊り」が終わった晩、茶花・銀座商店街のお祭りへ移動したが、荒天のためお祭りは中止。名残惜しむ有志の人たちが、テントの中で三線、パーランクを持ってドンチャン騒ぎをしていた。小生は近くの酒屋で黒糖焼酎の一升瓶を買いその集まりに合流し、思いで深い夜を過ごした。
【10位】
美鵬成る公
8月23日
@東京・北区・赤羽会館
昨年は東京周辺で行われた日本民謡協会の民謡民舞地区連合大会に何度か足を運んだ。そのうち2回で見た美鵬成る公さんの太鼓のプレー。少ない音数で最大限のグルーブを出す。ピシッとした姿勢と撥さばき。見た目も芸能なのだ。ドラマーの小生にとってはすごく新鮮だった。